バッタとイナゴの違いとは
ニューメキシコに何かが群がっている。
「歩いているとき、走っているとき、自転車に乗っているときに、人々の顔に飛んでくるので、人々にとって迷惑な存在です」と、Bernalillo County Cooperative Extension Serviceの拡張エージェントであるJohn R. Garlisch氏はABC Newsに語っています。 “彼らは人々の家やガレージに飛び込み、運転中にフロントガラスや車のグリルに飛散し、人々の植物を食べてしまうのです。”
では、彼らは何なのでしょうか? さて、報道機関はバッタと呼んでいますが、群がっているのならイナゴになるのでしょうか? 昨年のニューヨークタイムズの記事では、バッタは群れるだけでイナゴになる、とまで言っています。
National Weather Service
Encyclopedia of Animal Behaviorに掲載されたイナゴに関する2010年の記事で、次のように述べています。 ワイオミング州の昆虫学者アレクサンドル・ヴセヴォロ・ラチニンスキーは、「すべてのイナゴはバッタであるが、すべてのバッタがイナゴではない」と説明する。”
表現型の変異性とは、イナゴの亜種によっては、生活のさまざまなステージで色や体型が異なることを指す。 しかし、注目すべきは行動学的な側面、つまり集団で行動することである。
ラチニンスキーは論文の中で、「世界に1万2000種以上存在するバッタのうち、幼虫と成虫の間で行動や形態に顕著な違いがあり、イナゴとみなされるべきものは10数種に過ぎない」と説明しています。 そして実際、一緒に群がる傾向は、バッタの進化において比較的最近の現象です。
しかし、ニューメキシコで起きているのは、バッタの呼称で群れない仲間であるアシナガバチ科のメンバーによる特徴的な群れなのです。 Latchininsky氏はmental_flossに、このようなことは進化の歴史においておよそ十数回起こっていると語っています。 しかし、「こうした時々の集まりが、これらのバッタがイナゴであることを意味するわけではありません!」と、彼は注意を促している。 密度の増加が、生理学的、形態学的、その他の表現型の変化に続いて、行動の変化を引き起こす真のイナゴ種は、10数種しかないのです。”
それでもラッチニンスキーは、「遠い将来、この種がイナゴになるための進化の第一歩なのかもしれない」と推測しています。