小児の後腹膜リンパ節と骨盤リンパ節。 何が正常か : American Journal of Roentgenology: Vol.214, No.6 (AJR)

ABSTRACT :

目的. 本研究の目的は,健康な小児における後腹膜および骨盤リンパ節のサイズ基準を評価することである

MATERIALS AND METHODS 基礎疾患がなく,2014~2015年に腹部および骨盤に異常のないCTスキャンを受けた18歳未満の全外傷患者を同定した。 2名の小児放射線科医が独立して検査を確認し,長径5mm以上の後腹膜・骨盤リンパ節の数と,解剖学的5箇所の最大リンパ節のサイズ(2つの垂直方向の直径)を記録した。 矛盾する結果はコンセンサスで検討された。 短径と年齢および観察者間のばらつきの関係が評価された。

結果。 平均年齢7.2歳(範囲:0.1~18.0歳)の計166名(男児86名)が確認された。 後腹膜と骨盤内の95%以上のリンパ節が,コンセンサスによりそれぞれ最大7mmと8mmという短径を有していた。 リンパ節の最大短径の大きさは年齢による差はなかった。 4個以上のリンパ節が確認された患者は3名のみで、放射線科医のうち1名のみであった。 放射線科医間の最大径5mm以上のリンパ節の一致率は、5つの解剖学的部位で70.5%~97.6%であり、観察者間の一致率は低かった(κ、0.2~0.3)

結論 小児の後腹膜・骨盤リンパ節の大きさ・数は成人より少ない。 短径の閾値が7mm(後腹膜)、8mm(骨盤)、長径が5mm以上のリンパ節が1か所に4個以上あれば、疾患を定義できる可能性がある

後腹膜リンパ節と骨盤リンパ節の大きさと数は成人より少ない。